生前の風評や身内からの内部告発が相続税調査の引き金になることもある。愛人や二号サン、あるいは非嫡出子(婚外子)など(以上を特殊関係人と呼ぶ)の存在が確認できる場合は、正式な相続財産以外にそういった人に配慮した隠し財産の存在を疑ってみることにつながる。
例えば生前の預金の動きから家族以外の人間の口座に金の流れが確認された場合、何らかの関係者として突っ込んだ資料収集、探りが入れられることになる。また生前のまとまった資産移動でわからなくなった行き先があり、結局相続財産に載ってこない場合も原因の一つにそういった存在を推定することになる。相続税調査では、生前の資産は現金を初めとしてすべてトレース作業が行われ、消費分を含め、行き先の妥当性が検討され尽くすからである。
以上のケースは被相続人が人間味豊かだった場合だが、逆に、一銭も渡していない特殊関係人がおり、マジ切れの内部告発文が寄せられる場合もある。自らの正当化のため「恨み」・「つらみ」が連綿と記述された後に「隠し財産・株式・預金」などの存在が具体的に示されている場合は、それこそ当局にとっての「お宝」ということになっていくのだ。
2008年2月12日火曜日
Vol.7 家族以外に流れたお金
2008年2月6日水曜日
Vol.6 情報化時代。「遺産」もさまざま
生前「町の発明家」でチョッとした発明から1億、2億の特許権料や実用新案権料を稼いだ人がいるとしよう。自分で事業化し株式会社組織等を立ち上げて、権利に基いて明確なお金の出し入れがわかる場合は問題ない。問題があるとすれば、そのような権利を企業に売却しロイヤリティ(販売金額に応じた手数料)を受取っていたような場合である。引き続いて同じ銀行口座に入金されていれば良いが、被相続人の口座が分散されていたり、支払う側が支払いを滞らせていた場合など相続人も把握できないことがある。
同じようなケースとして「MLM=マルチレベルマーケティングの略で化粧品の販売や携帯電話の販売時に良く使われる手法。取扱商品が無い場合は悪徳マルチなどといわれることがある」組織のいいポジションにいた人で、受け取り口座が不明だったりMLM組織が被相続人に手数料を支払っていなかった場合なども複雑になってくる。
その他最近ではインターネットを使用した「情報商材」や「アフィリエイト」として企業の商品・サービスを広告する仕事があり、さらに「携帯電話用の小説」などもあったりする。こうした取引は個人的な場合が多いので、遺族にとってもすべてを把握することは不可能に近い。
以上は毎月の手数料のみならず、「権利自体の評価」次第で巨額の相続税が発生するケースもあるので見過ごせない問題である。
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