2008年8月15日金曜日

Vol.15 不正履歴は一生付きまとう

ここで書いていることは、主として記憶に頼っている面が強いので、相続税に関して100%正確を期す場合は、顧問税理士にでも確認していただくとありがたい。 ただし、相続税に関するエッセンスはお伝えできているものと思っている。 今回も、相続税の申告書を出した後からの話をさせてもらう。法人税ないし個人所得税の調査記録は、永久に残る場合がある(法人であれば存続期間、個人であれば生存中)。これは、元税務調査官だった国税OB税理士をはじめ、税務行政の現場にいた幾多の先輩たちがお伝えしてきていることであると思う。

つまり、法人のオーナー経営者あるいは個人事業者が悪質な不正に絡んでいる場合は、その情報が相続税調査にまで影響してくるということなのだ。 この「元税務調査官のひとりごと」のコラム掲載のスタートごろだったが、生前営んでいた法人か個人の業種によって見方が違うといった話をした。それにも関係するが、今回は、業種に関係なく、当局内部の調査記録の話をしよう。

ひとことで言えば、「不正計算」があれば一生付いてまわり、相続の時点でも、法人税や個人所得税で取りもれたであろう不正所得の一部をしつこくかぎまわられる。当局は義務とでも感じているのかもしれないが、相続税の関門は最後の砦である。“三途の川の渡し舟”を出すために、生前の行為によっては“追い銭”が必要なのかもしれない。

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