2008年1月15日火曜日

Vol.4 残高ゼロでもチェックされる

本当の資産家の心理は自分がそうではないので計りかねるが、案外質素でメリハリがあるものなのかもしれない。日本に多い土地がほとんど、つまり先祖からの財産を引き継いでいる場合は別として、ちょっと前に流行った「IT長者」や「個人開業医」、「上場会社オーナー一族」などは株や債券、外為などを別口で行う場合が多い。つまり名義を借りた事実上の借名取引で、当の本人は「死期」が近づいたと悟った時や気力がなくなったと感じた時、さっさと手仕舞って(終わりにして)、口座残高を0円にしてしまうことも多い。

証券会社に対して反面調査を行うと、「顧客勘定元帳」を必ず調査するものだが、現状たいした現金残や預かり資産が無くとも、過去に多額の取引や利益を上げている場合は「チェック」されるケースが多いと考えたほうが良いだろう。

国税局や税務署でも「特別チーム」があり、別件で分からぬようにそういった目立つ口座をピックアップしておくものだが、まさに頭隠して尻隠さずで、残高さえゼロにしておけば安心と思っている人が意外に多い。証券会社から自分の銀行口座に資金を移動すれば必ず足が付くし、たとえ現金で持ち運びしたところで証券会社担当者の口はふさげないからである。

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