今はあまりいないと思うが辞めさせた家政婦などから「ちくり」すなわち内部告発文が寄せられたり、隣近所で生前の豪勢な生活をやっかむ人物から詳細な電話が国税当局にかかってくる場合がある。さらには二代目・三代目のボンボンではない生粋の初代の取引先で苛烈な取引条件により倒産させられた人間などから情報が寄せられる場合もある。恨み・つらみ・嫉みなどから端を発したそれらの情報は、しっかり生前からのファイルに綴じこめられ、当人が亡くなったときその封が開けられることになる。
生前は確定申告やオーナー会社の申告書などで常に情報を入手している国税当局は、極めつけ最後の相続税申告およびその調査で人生の経済・課税総決算を迫ってくる。当然、生前の各種申告書やそれにまつわる調査では、業種によってはまったく把握されていなかった財産や権利を亡くなった後に総ざらいされるということである。
人の口に戸は立てられないのことわざどおり、良くしても悪く接してはもちろんしっぺ返しを受けてしまうこの日本社会。寄せられる告発記録に目を通せば赤裸々な生前の行状が洗い出され、今までの恨みの数々を初めとした精神の「鬱屈」のすさまじさに、ただただ呆れるばかりなのである。
2008年3月10日月曜日
Vol.8 亡くなったあとのシッペ返し
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